タングル$T$のダブルとして得られる絡み目を$DT$とする.$T$がタングル$R$を含む ときに,$R$を別のタングル$R'$で置き換えて得られたタングルを$T(R')$で表す.こ のとき $DT$ は$R$とその鏡像$R^*$を含むが,それらを別のタングル$R_1$と$R_2$で 置き換えて得られる絡み目を$DT(R_1, R_2)$で表す.$R_{\perp}$を90度の回転によ る$R$の像とする.

このとき,タングル$T(R)$が,境界を固定しないイソトピーで$T({\bf 0})$と $T({\binf})$が同値になるという条件をみたすとき,次の定理1--3が成り立つ. ($\bf 0$,${\binf}$はそれぞれ,0-タングル,${\inf}$-タングル)

定理1.次の(i)--(iii)の各絡み目射影図の対の Kauffman のブラケット多項式は等 しい.
(i) $DT(R, R^{*})(=DT)$, $DT(R_{\perp}^{*}, R_{\perp})$.
(ii) $DT(R, R)$, $DT(R_{\perp}, R_{\perp})$.
(iii) $DT(R, R_{\perp}^{*})$, $DT(R^{*}, R_{\perp})$.

定理2.定理1(i)--(iii)の各絡み目の対の HOMFLY多項式は等しい.

定理3.定理1(ii)の絡み目の対のQ多項式は等しい.

以上の結果はプレプリント
KANENOBU, Taizo: Tangle surgeries on the double of a tangle and link polynomials
にまとめています.
大阪市立大学のホームページで見ることができます.
http://math01.sci.osaka-cu.ac.jp/preprint/index.html